最近本ちゃんと読んで無いので何冊か読む。
井上雄彦さんが大昔の、『円空』という木彫りの仏像を作る僧の人の作品に触れていく雑誌の企画。
14万点もの作品を作り、その中には市民に触れられ続けて鼻がかけた仏像や、ボロボロになっても寺で拝み続けられた仏像など、芸術的にケースに展示されたそれとは違う、常に人の近くにあり続けた『円空仏』の『芸術作品ではなく誰にでも楽しまれるものであり続けた』その姿にシンパシーを感じたと言う話が載っていました。元々はバガボンド連載時に仏像に興味を持ち始めたのがきっかけらしい。奉られるのではなく人の身近にある、という作品の残し方に、大衆にヒットしたスラムダンクやバガボンド、リアル、を作った自分の「身近に、そして人に響く」を感じ取って感銘を受けているような様子が読み取れました。今も拝まれている様に『現役感のある仏像』と言う表現をしていて。岡本太郎さんが『展示場のケースの中の仏像は死んでいるようだ』という表現をしていた記憶ありますが、どこまでも残るものに憧れと共感と畏敬の念が感じられたのかも知れません。スラムダンクも未だに現役感のままの作品ですし。
井上さんが見た仏像のたくさんのスケッチも載っており、円空の絵の作品も展示されているのを見て『横線で目を作ったり、とてもマンガ的な表現』をしていた事にも、師匠だ、と言う表現をしていました。1400年ごろの作品らしいので大先輩ですね。
井上雄彦さんの奥行きが作品に出てるのはこういう経験の蓄積なんだなと思いました。
ぜひ読んでください。